常陸太田市美術協会15周年をむかえて

 常陸太田市美術協会は平成17年に発足し15周年を迎えました。振り返ってみますと市民交流センター多日的ホールで第1回の記念展を開催してから、早いもので15回目の記念展を昨年開催することができました。この問、5周年、10周年ごとの記念展チャリティ展の開催、鯨ケ丘でまちかど美術館(五年間) などの各種事業を開催して、会員の意欲的な作品を継続して発表してまいりました。これまで多くの市民の皆様をはじめ、特に文化団体関係の皆様方にご高覧をいただいており、会員たちは作品を制作するうえで夫きな励みになっていると思います。感謝申し上げます。

 この美術協会の前身は昭和23年、戦前にこの地に疎開してきた画家複戸庄衛氏が提唱し、共に疎開してきた画家達の賛同をうけ設立された常北美術協会です。旧太田町役場大会議室を会場にして毎年展覧会を開催し、半世紀に亘り当地域の美術文化の発展向上に大きな役割を果たしてきました。私もこの常北美術協会の員として諸先輩方と共に活動に携わってきましたが、平成16年の大合併による新市誕生を契機として常北美術協会は発展的に解消し、常陸太田市美術協会へと引き継がれました。設立時の会員数は25名でしたが現在は日本画、洋画、デザイン、彫刻、写真5部門で50名までに増加し、会員の活動も全国規模の美術展、県展、グループ展などに出品をして活躍を見せており、当協会も県内有数の美術団体として認められるようになってまいりました。非常に嬉しく喜ばしい限りです。

  昨年は15周年記念事業として、東京藝術大学祭を見学して会員の研鑚をはかり、相互に切瑳琢磨しながら作品のレベルアップに努めています。しかし、いずれの美術団体も高齢化が進み後継者の育成が課題となっています。当協会も例外でなく今後、若手の作家の育成、会員の増加をはかることが課題となっております。これからも常陸太田市の芸術文化の高揚、発展に寄与することができるよう会員が一丸となって取り組んでまいりますので、市民の皆様の応援をよろしくお願い致します。

会長 沼田 久雪
(ひたちおおたの文化 第22号より)